お住まいの一戸建てや集合住宅で、水漏れ事故による損害が発生した場合、水道管の工事やパーツ修理などの費用がかかります。場合によっては、総額で100万円以上かかってしまうケースもあり、コストは馬鹿になりません。
そんなときのために加入しておきたいのが、「水漏れ補償がついている保険」です。
この記事では、もしものときに備えて、水漏れの保険の適用条件や保険会社を選ぶときの注意点などを紹介します。
目次
水漏れが起きた場合に適用される保険は2つある
水漏れが発生した場合に適用されるものは「火災保険」と「個人賠償責任保険」の2つが挙げられます。
◇火災保険では水漏れの補償が可能!
ほとんどの火災保険では、水漏れによる補償を受けることが可能です。ただし、火災保険には「火災のみを補償する保険」と「水漏れ補償がセットになっている保険」があります。もし、水漏れトラブルによる損害を補償してもらいたいなら、水濡れ補償がセットになっている保険に加入することが必要になるので覚えておきましょう。
◇個人賠償責任保険でも水漏れの補償をしてくれる
個人賠償責任保険とは、毎日の生活において他人にケガをさせてしまった、ものを壊してしまったなど、法律上何らかの損害賠償が発生したときに補償してくれる保険のことです。主に、特約として火災保険や自動車保険などに付帯して契約するのが一般的で、この個人賠償責任保険は水漏れ事故に対しても補償が行われます。
保険が適用される条件・補償対象
では続いて、火災保険や個人賠償責任保険が適用される条件や、補償対象を見ていきましょう。
◇火災保険が適用される条件・補償対象
火災保険は、水道管・排水管など給排水設備の事故によって起きた、予期せぬ損害に対して適用されます。
例えば、冬の寒さで水道管が破裂して水漏れするケースや、排水管が詰まって水漏れが起きるケースなどが挙げられます。その他にも、集合住宅で隣や上階など他の部屋から発生した事故による水漏れで、自室に損害が生じた場合も補償対象となります。
◇個人賠償責任保険が適用される条件・補償対象
個人賠償責任保険は、自分が住んでいる住宅で水漏れを起こし、下階や隣室など他の部屋に被害を生じさせた場合に適用される保険です。
例えば、マンションの自室にある水道管から水漏れが生じ、下階や隣の住宅に被害が出るケースなどがこれに当たります。このように自分の過失により、周囲に被害を与えてしまう可能性もあるので、万一に備えて加入しておくと心強いでしょう。
注意!こんな水漏れは保険が適用されない場合も
水漏れでも、全てのケースが保険の適用が受けられるわけではりません。ここでは、水漏れでも保険が適用されない代表例を4つ紹介します。
◇老朽化によって起きた水漏れ
保険によって補償される水漏れ事故は、あくまで予測できず突発的に発生することが前提です。そのため、老朽化による水漏れの場合は、事故が起きる前にある程度予測して修理できることから「突発的でない」と判断され、補償対象外となることがほとんどです。
◇雨漏れによって起きた損害
雨漏れによる損害は、多くの場合は補償されません。理由としては、雨漏れの原因は住宅の老朽化によるものがほとんどだからです。
そのため、予測可能と判断され補償対象外となります。
◇洪水や大雨によって起きた水漏れ
洪水や大雨などの自然災害によって生じた水漏れは、給排水設備の事故ではなく水災による事故とみなされます。そのため、補償の対象外となることが多いです。
◇給排水設備以外からの水漏れ
例えば、洗濯機や浴槽などは給排水設備ではないので、補償対象ではありません。そのため、浴槽のお湯を溢れさせて水漏れしたり、洗濯機のホースが排水溝から抜けて水漏れしたり、といった場合などは保険適用ができないことを覚えておきましょう。
水漏れでの火災保険の申請手順、必要書類
実際に水漏れによる被害が発生した場合における、火災保険の申請手順や必要となる書類を説明します。
◇火災保険の申請手順
まずは保険会社に連絡を行い、水漏れが起こった状況などの説明と、保険金を受け取るための必要書類の確認などを行います。
その後は、鑑定人からの水漏れ被害に対する調査を受け、被害箇所の修理見積もりを取り、必要書類を保険会社に提出したら申請は完了です。
基本的には、上記の流れで申請を行います。ただし、保険会社によって細かな申請手順は異なるので、事前に確認することが大切です。
◇火災保険の保険金を請求するための必要書類
次に、火災保険の保険金を申請するために必要な書類は以下の通りです。
しっかり準備しておきましょう。
・保険金請求書
・事故状況説明書
・修理費用の見積書
・被害箇所の写真
・領収書と保証書
また、保険会社によって必要な書類は異なるので、自分で加入している保険会社の契約内容を確認しておくことをおすすめします。
保険会社を選ぶときはここに注意を!
加入しておくと安心な火災保険や個人賠償責任保険。その保険会社を選ぶときに、どんな点に注意したらいいのでしょう?
◇個人賠償責任保険へ加入を検討する場合は重複加入していないか確認
個人賠償責任保険は、火災保険などの各種保険に付帯している保険なので、いつの間にか契約している可能性があります。そのため、加入する際には重複していないか、きちんと確認することが大切です。
また、集合住宅にお住まいの場合は、管理会社が加入していることもあるので、一度、問い合わせをすることをおすすめします。
◇保険金請求の申請期限は何年に設定されているか確認する
基本的には、火災保険の申請期限は3年に設定されているところが多いです。しかし、中には申告期限を3年に設定していない保険会社もあります。
水漏れによる損害を受けてから申告期限を過ぎると、保険金を受け取ることはできないので、申請期限が何年に設定されているかチェックしておきましょう。
◇漏水による水漏れと水災の補償範囲を確認する
水漏れ補償とよく似ているのが水災補償です。水災補償とは、台風や洪水などの水災事故が発生した場合に対応する補償なので、基本的には水漏れのようなトラブルには補償されません。
しかし、保険会社によっては補償範囲が多少異なるため、水漏れと水災の補償範囲をきちんと確認しておきましょう。
◇示談交渉サービスがあるかどうか
保険に示談交渉サービスがあれば、水漏れ事故により損害賠償を負担することになった場合に、自身に代わって保険会社が相手方と交渉を行ってくれます。
もし、示談交渉サービスがついていないと、自分で被害者と損害賠償の交渉を直接しなければならずとても大変です。
特に、金銭のやりとりが生じる場合はトラブルになりやすいので、このようなサービスがあるかどうか確認することが大切です。
水漏れにも保険が適用される!?適用条件と保険会社を選ぶときの注意点まとめ
水漏れが起きたときに補償してもらえるよう、火災保険や個人賠償責任保険に加入しておくといいでしょう。ただし、その際には、個人賠償責任保険が重複加入していないか、示談交渉サービスはあるかなどを確認することが大切です。
また、水漏れが起きたときに保険金が受け取れるように、保険会社の契約内容をきちんと把握しておくことをおすすめします。