今までにおわなかった水道水。しかし、ある日突然「なんだか蛇口から出てくる水道水が臭い…」と感じた経験はありませんか?
日本の水道水は安全だと言われているのに、一体なぜこんなにおいがするのでしょう?
ここでは、水道水のにおいの原因と対処法について詳しく紹介します。
目次
水道水のにおいがいつもと違う…?健康には影響がないの?
水道水のにおいが臭いと感じた場合、一番気になるのは健康への影響です。
果たして、においのある水道水を飲んだりすることで体に何らかの悪影響を及ぼすことはあるのでしょうか?
◇基本的には健康に影響はない!
においのタイプによって考えられる原因は異なりますが、多くの場合は健康に影響がありません。基本的には数分程度水を流し続ければいつものにおいがない状態に戻ることがほとんどです。◇ただし、場合によっては例外も…
ただし、においのタイプによっては健康に悪影響を及ぼすものもあります。
もし、長時間水を流し続けてもにおいが改善しない場合は、水道局やプロの水道屋などへ相談しましょう。
においのタイプ別で考えられる原因・対処法を紹介!
においといってもさまざまなタイプがあり、それぞれ原因や対処法は異なります。
ここでは、においの原因と対処法をタイプ別に紹介します。
◇カルキ・塩素系のにおい
原因:
日本では水道水を安全に使用するために、塩素による消毒が法律で義務付けられています。塩素は水中の雑菌を死滅させる作用があり、これがないと水道水が病原菌などで汚染される可能性があります。
衛生上必ず必要なものですが、どうしても水道水はカルキのにおいがしてしまいます。
対処法:
カルキのにおいを取り除くのに一番簡単な方法は、水を冷却することです。例えば氷で冷やす場合は、コップ1杯につき3個程度氷を入れましょう。こうして冷却すれば、消毒の塩素のにおいもほぼ気にならなくなります。
また、煮沸や、一日置いておくなどの方法も有効です。
◇錆びのようなにおい
原因:
錆びのようなにおいは個人住宅・マンション・アパートなど住宅の種類問わず、よく聞くトラブルです。
これは、老朽化などにより、水道管の内部に錆びが発生しているからだと考えられます。この錆びが水道水に混ざって流れることで、錆びのにおいがするのです。
対処法:
基本的には、しばらく水を流し続けておけば、においは無くなります。
ただし、水をいくら流しても全くにおいが無くならない場合には、水道屋などに連絡をして水道管の点検をしてもらうことをおすすめします。
◇薬品・油系のにおい
原因:
自宅に水道管の新設工事をするときに、油や樹脂などを使うことがあります。
もちろん、工事終了時には綺麗に取り除かれているはずですが、においが水道管についていることもあり、水が油臭くなってしまいます。
対処法:
この油のにおいは一時的なものなので、しばらく水を流し続けておけばにおいは無くなります。
しかし、水を流し続けてもにおいが無くならない場合は、給水装置に不具合が生じているケースや、クロスコネクションという誤接合の可能性があります。そのような場合には、水道局や保険所に連絡をして現場調査をしてもらいましょう。
◇カビのようなにおい
原因:
台風や洪水による川の濁りにより、水道水にわずかにカビのようなにおいがつくことがあります。その他にも、水道の水源である湖沼、貯水池などで繁殖するプランクトンや菌類の中には、水にカビや墨汁のようなにおいがするものもあり、それが原因という場合も。
水道局では常時監視を実施し、活性炭による不快臭の除去に努めていますが、敏感な方は多少鼻についてしまうでしょう。
対処法:
カビ臭は、腐敗菌のような不衛生のものから生じたものではないため、安全性については心配いりません。しかし、どうしてもいやな方は、やかんにかけて5分くらい煮沸すれば臭気を軽減することができます。
◇下水のようなにおい
原因:
排水管に付属するU字トラップに水が一定期間流れないことで乾燥すると、下水のにおいが排水管を通じて逆流します。主に、旅行や出張などで長期にわたって自宅を空け、水道を使っていない場合に起こりやすいです。
対処法:
しばらく水を流せば排水管のU字トラップに水が流れ込むので、下水のにおいが逆流することが無くなります。
もし、それでも下水のにおいが収まらないなら他の原因が考えられますので、水道屋などに相談しましょう。
においのもとは排水口かも!排水口が臭い場合の原因・対処法
現在、キッチンやお風呂場、洗面所などの排水口が臭くて気になるという方はいらっしゃいませんか?そんな方のために排水口が臭い原因と対処法を紹介します。
◇排水口が臭い原因は「汚れ」!
においの原因として多いのが、排水口にゴミや異物などの汚れが付着し、腐敗して異臭を発しているケースです。
例えば、キッチンの排水口は食べ物のカスや洗剤のカス、風呂や洗面所の排水口には髪の毛や石鹸カスなどが流れ込んでいきます。これらが付着して蓄積すると、においのもととなります。
◇においの対処法その1:市販のパイプ洗浄剤を使用する
排水口が臭いときには、汚れが排水口の奥深くや排水管にこびりついている場合が多いです。
そういった場合には、スーパーやドラッグストアなどで販売されている、パイプ洗浄剤を使用するといいでしょう。
使い方はとても簡単で、ジェルタイプのものであれば排水口に直接注ぎ、20分くらい放置した後に水を流すだけです。汚れを溶かしてにおいごと流してくれるので、とても簡単ににおいが除去できます。
つけ置く時間は洗浄剤によって異なるので、使用方法を確認してから利用しましょう。
◇においの対処法その2: お酢と重曹で安全に掃除する
また、パイプ洗浄剤を使いたくないという方は、重曹とお酢がおすすめです。酢は、市販されているもので構いません。重曹と酢は、2対1の割合にするのがポイントです。
2杯の重曹を排水口にふりかけた後、1杯のお酢を満遍なく回しかけます。そうすると、ジュワジュワという音と共に泡が出てくるので、60分くらい放置しましょう。その後に、たっぷりのお湯で洗い流せば、においのもととなる汚れが落ちるでしょう。
◇においの対処法その3:ワイヤーブラシで排水口の汚れを取る
ワイヤーブラシという道具を使って、排水口の汚れを取る方法もあります。
使い方は、ワイヤーの先端を排水口から排水パイプの奥深くに向かって、どんどん突っ込んで掃除していくだけなので簡単です。
ワイヤーの先端部分はらせん状のドリルのようになっており、回転させたり、上下に動かしたりすることで汚れを掻き出すことが可能です。こうすることで、においのもととなる汚れが落ちてきれいになります。
掃除してもにおいが無くならない場合はプロに依頼を
手間暇かけて排水口など掃除したのに、においが無くならない…という場合もあるかもしれません。そんなときは水回りのトラブルを解決してくれる水道屋に依頼してみてはいかがでしょう?
◇プロの水道屋なら丁寧に掃除してくれる
どうしてもにおいの原因が分からないなら、無理をせずプロの水道屋に任せるのも一つの手です。水回りのプロなので、知識が豊富ですし、においはもちろん細かい汚れも徹底的に綺麗にしてくれるでしょう。
◇ただし安易に水道屋を選ぶのは辞めよう
水道屋と一口に言ってもたくさんの業者があり、中には悪徳と言われる業者も存在します。
例えば、チラシには「修理○円」という安い価格を提示しておきながら、実際には提示価格を大幅に上回る修理代を請求される、簡易的な修理で済むにも関わらず不要な工事をすすめ、高額な請求をするケースなどが挙げられます。
水道屋を選ぶときには、口コミやサービス内容、料金などを複数の業者で比較し、慎重に検討したうえで決めるようにしましょう。
水道水が臭い…カルキ臭やかび臭さなど、におい別の原因・対処法を紹介まとめ
水道水が臭くても、きちんと対処をすれば美味しく安全に飲むことができます。また、排水口が臭い場合でも、パイプ洗浄剤などを用いれば、簡単ににおいを除去することができます。
もし、においが無くならない場合は、プロの水道屋に修理を依頼することをおすすめします。その際には、安易に決めるのではなく、複数の業者をしっかり吟味したうえで選ぶことが大切です。